衆院選が今の小選挙区制になってから25年、8回あった総選挙で女性の候補者が一人も立候補したことがない小選挙区が鹿児島にある。その選挙区に今回初めて、女性が名乗りを上げた。19日に公示される衆院選は、候補者をできる限り男女同数にするよう政党に求める「候補者男女均等法」ができて初めての総選挙。どんな事情があるのか、3月まで3年間、鹿児島で勤務した記者が探った。
東京から飛行機で約2時間。9月中旬、半年ぶりに鹿児島空港に降り立つと、心なしか日差しが強く感じられた。空港正面には西郷隆盛の像が立つ公園が見える。レンタカーを借り、車を南に向けて走らせた。
衆院鹿児島4区は、空港がある霧島市とその南東に広がる大隅半島、さらに半島の南の種子島、屋久島などが含まれる。車窓には畑や田んぼ、森林が広がり、時折牛舎と思われる独特のにおいがする。このあたりは黒毛和牛などの肉用牛の生産量が県内随一だ。海沿いからは錦江湾に浮かぶ桜島が見えた。
約1時間半後、大隅半島の中心に位置する鹿屋市に着いた。人口約10万人で、4区内の自治体では霧島市に次いで多い。旧5区の頃を含めて4区で初めて立候補を表明した女性が、この地域を拠点に衆院選の準備を進めている。
めんどりが叫ぶと……
「なぜ鹿児島から女性議員が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル